Portfolio and Profile
生命は相互に影響を及ぼし合うシステムです。細胞間の化学物質の伝播や、生態系の共進化など、さまざまなスケールで相互作用が行われています。本作は、生命の自己複製というテーマで作られた装置です。実世界で情報を読み書きすることで、必然的にエラーが発生し、次の世代に伝搬していきます。
この装置は、小麦粉の入った円筒形の容器と可動式のアーム、距離センサーで構成されています。距離センサーは、小麦粉の凹凸を読み取り、別の装置に送信します。受信側はアームを上下させ、小麦粉を掘って形状を再現し、再び自身のデータを読み取って別の装置に送信します。
媒体である小麦は、世界中で栽培されている穀物です。種の存続という点では大きな成功を収めていますが、遺伝子の多様性は失われています。小麦粉を媒体とすることで、逆説的にエラーがもたらす多様性を示唆しています。
Year 2021
Collaborator 田原 有貴子
Exhibition 2021 HOMEWORKS 2021